2023.01.13
【Vol.6】学校も、課題も、家のことも。今思うと盛りだくさんだった
ヤングケアラー経験のある”ちょっと先”の先輩の経験談。
ピアサポーターである彼・彼女たちの経験や想いを聞いてみました。
高校から大学卒業まで、認知症の祖母の介護を母と協力して担っていたあかりさん。
元々は県外の大学が第一希望だったものの、家の事情を考慮して
県内の私立大学を選びました。
大学を卒業した現在は、中学生の放課後学習支援やフリースクールの運営に携わっています。
ーどんなケアをしていた?
高校生の頃は、洗濯やご飯の手伝いなど、家事全般をやるのは当たり前でした。
大学入学後は祖母の介護状態が重くなり、
病院の付き添いから服薬管理(認知症が進んだため誤って薬を飲まないように)、
トイレ関係の後始末、施設に通う際の荷物の準備等、
全般的なケアもしていました。
食事面の準備や関係機関との窓口、車の運転等は母が担うことが多かったですが、
それ以外の家の中のことはほとんど自分もやっていたので、
ケアマネージャーとのやり取りにも同席して状況を伝えていましたね。
ー当時の思いは?
「やんなきゃいけないからやっている」という感じでした。
父は単身赴任であまり協力的ではなく、
母は昼間一人で祖母と向き合い、かなりストレスが溜まっているようでした。
実の親子間での介護だと、母と祖母が遠慮なく言い合いをする場面もあって、
その板挟み状態は精神的にきつかったですが、
母の様子から察して、自分がやらなきゃ、と動いていたと思います。
男手がないので、父や親戚でも頼れる人がいたらいいな、と思うこともありましたが、
私は力仕事を任される側だったので、体力的にも大変でした。
ー進路はどのように?
元々は県外の大学が第一希望でしたが、実際は、県内の私立大学へ進学しました。
最初に「県外の大学に行きたい」と言い出した時は、なんとなくスルーされていて。
高校3年生の冬、センター試験の願書を出す時期になって初めて
「県外に行かれたら困る。この先もずっと介護が必要な状況で、
家にいてくれないと困るじゃん」と母に言われました。
そこで初めて、「え…」と。
自分のことなのに、自分だけじゃ決められない若干の悔しさはありました。
でもやっぱり、しょうがないよね、と自分で納得するしかなかったです。
ーいまはどう捉えている?
大変だったよな、と思います。
冷静になると、自分のキャパを超えていたんじゃないかな…
学校もいきつつ、課題もやりつつ、
家のこともやらなければいけないのは盛りだくさんでしたし、
今同じことをやれ、と言われてもできないと思います。
今になってやっと、周りの友達をみて、
ここまで介護を含めて家のことに足を突っ込んでいた人はあまりいないので、
早いうちに経験していたのはもしかしたらこの先役に立つんじゃないかな、
と思えるようになりました。
ーヤングケアラーへのメッセージ
オンラインサロンのイベントも含め、話せる人を一人でも家族以外の人に
見つけてほしいな、と思います。
当時は全然、「うちこんな感じで…」というほどの家だとは思っていなかったですが、
どこかに相談して頼れる先があれば、負担も軽くなっていたかもしれません。
気持ちの面でも、ハード面でも、ちょっとでも外の人に頼れると家の中の環境も
穏やかになると思います。
こうしてサロンのようなきっかけを見つけられているのであれば、
ぜひ使ってくれたら嬉しいです。
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